ビル・エヴァンスの中で好きなアルバムの1つ『Moon Beams』でXrcd盤を入手したので聴いてみました。これまでは紙ジャケット盤しかなく音質的に不満はなかったです。
Xrcd盤と言えば、Extended Resolution Compact Discのことで、ビクターエンタテインメントの米国現地法人JVC Music Inc.が1996年に発表した、高音質音楽CDのマスタリングと製作管理プロセスのひとつ。
- 音質がクリアになるが躍動感が出てくる。
- 一音一音がはっきりと聴こえる。
- 演奏が遠くで鳴っているのではなく近くに聴こえる。
Xrcd盤はこれまでジャズ、クラシック、ポップスと購入しましたが後悔したものはありません。この『Moon Beams』に関しても一定の評価のあるアルバムですが、平坦で単調で眠くなるようなジャズだという人もいます。しかしXrcd盤がその印象を変えました。
1962年リリースのアルバムでベーシストが『チャック・イスラエル』に変わってからの第一弾となります。元のベーシストは『ワルツ・フォー・デビイ』でも活躍していた『スコット・ラファロ』ですが交通事故で25歳で亡くなります。ベースの特徴は曲名『ワルツ・フォー・デビイ』で聴けるハイトーンの使い方にあります。
『チャック・イスラエル』はラファエロと比較され低く書かれることがありますが、ハイトーンの使い方以外はラファエロそのものと言ってもいいくらいの演奏です。
このアルバムも構成は『ワルツ・フォー・デビイ』と同じくピアノ、ベース、ドラムの実にシンプルなものです。Xrcdの効果が効いていて、ピアノが力強く退屈しない音色に変貌しています。そしてベースとドラムが空間に彩りを与えているためとても上品に聴こえます。
旋律を聴きながら各楽器の音色に聴き入っている自分がいます。だから最後まで退屈することなく聴けるのです。とても心を落ち着かせてくれるアルバムです。午後に紅茶でも飲みながら聴くのに合っています。
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Xrcd盤は中古で見つけるのも大変になってきましたが、あったら是非買ってみてください。無ければ通常のCDでもこのアルバムの良さが理解できると思います。
この記事を書いた人
ogoe 男性
福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。