John Coltrane『Ballads』レビュー

John Coltrane『Ballads』レビュー
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1960年から1963年はコルトレーンにとって重要な録音をいくつもしています。この時期の録音がなければコルトレーンは少し有名なサックス奏者で終わっていたかもしれません。私はスロー・バラードの曲調がただ好きなだけですが、『Ballads』は人気が高いアルバムでジャズ初心者にもおススメできるアルバムです。

このアルバムはレコードからCDまで持っていて特に気に入っているのは、mobil fidelityのゴールドCD盤です。音質が別次元で違います。違いを下に書きます。

mobil fidelity盤の凄さ
  1. サックスの音が厚く柔らかい。左チャンネルに録音されている。
  2. ピアノの音が前に来ていて中央に定位している。
  3. ドラムの音も手前で鳴っていて右チャンネルに録音されている。
  4. すべての音が他のCDよりも目の前で演奏しているような音。
  5. ベースは自己主張しない程度にまとめている。

このCDを聴くと他のCDが何かスッキリした音質に聴こえます。mobil fidelityのゴールドCD盤は濃厚な音質のものが多いですが、人によってはくどいと感じるかもしれません。私はこちらの音質の方が好きですが。

サックスは当然のことながら、ピアノとドラムの存在感が明らかに上がっています。

John Coltrane音の変遷
マイルス・デイヴィス・クインテット時代

1955年録音の『ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット』から「マラソン・セッション」と呼ばれた『Cookin’』『Relaxin’』『Steamin’』『Workin’』の時期を指す。

  • 激しい演奏が目立つがフレーズにまとまりがない
  • どんな音色で演奏したいのか定まっていない
  • 演奏自体、単独で聴いてもまた全体の位置づけで聴いても曲を引立ててる演奏とは言えない
マイルス・デイヴィス・クインテット脱退後

プレスティッジ・レコード時代

1957年8月録音『TRANEING IN』、1958年録音『STARDUST』の時期を指す。

  • 1957年7月セロニアス・モンクとの共演後に演奏スタイルが一変している
  • 甘く切なくセクシーなトーンがこの時期に確立された

アトランティック・レコード時代

1960年録音の名盤『My Favorite Things』、『Plays the Blues』、『Coltrane’s Sound』までの時期を指す。

  • コード進行がブルースの曲を中心とした新領域への進出
  • ソプラノ・サックスを大々的に取り入れた『My Favorite Things』
  • 自己スタイル確立後に新たな領域への挑戦がいくつもなされている

インパルス・レコード時代

1962年録音の名盤『Duke Ellington & John Coltrane』、『Ballads』、1963年録音の『John Coltrane & Johnny Hartman』までの時期を指す。

  • コルトレーンにとっての完成されたスタイルによる最盛期
  • ジャズ初心者でも聴きたくなる分かりやすいメロディーライン

この記事を書いた人

ogoe 男性

福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。

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