Sviatoslav Richter『ピアノ・ソナタ第23番「熱情」&第12番「葬送」』レビュー

Sviatoslav Richter『ピアノ・ソナタ第23番「熱情」&第12番「葬送」』レビュー
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リヒテルとの出会いは、タワーレコード池袋店からで当時店内に流れていた『カーネギー・ホール・リサイタル1960』を聴いて感銘を受けた時からです。

その後ラフマニノフ、チャイコフスキーの曲で演奏しているものを買い漁りました。今回ベートーベンを弾いているのを知ってXRCD盤を購入しました。ノイズのない透明感溢れる演奏に感激しています。

ベートーベンは作曲家でありピアニストでもあったためピアノソナタの曲が多数あります。初期の『悲愴』はとても有名です。ピアノソナタは全32曲あり第〇〇番という数字が作曲された順番を意味します。従ってこのアルバムは中期の作品ということになります。

この熱情と葬送には『悲愴』や『月光』のような気が滅入るような悲しさはない。極限まで落ち込んだ後に、そのような状態でいることに意味がないことを感じて何かを探し始めたような精神状態かと思います。

ショパンの曲のように自然に流れるような旋律、場合によっては眠くなってしまうようなものではなく、とても美しい旋律でありながら個性的なフレーズによって構成されています。しかも正確にリズムを崩すことなく演奏するのが困難な曲でもあります。

改めてリヒテルのピアニストとしての技量を感じてしまいました。強力なリズム感とその中で躊躇することなく表現しきるところにあると感じました。リヒテルのベートーベンも中々いいですね。

リヒテルの特徴
  1. ピアノを打楽器のように弾きまくる
  2. 繊細なピアニッシモの音を出しながら、強烈なフォルテシモが共存する演奏
  3. 人柄的にも壊れやすいくらい繊細な人
購入は下記amazonで

XRCD盤は通常盤とは違いますので、数に限りがございます。販売されているうちに安く購入しましょう。

この記事を書いた人

ogoe 男性

福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。

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