ウラジーミル・フェドセーエフ『ムソルグスキー 禿山の一夜』レビュー

ウラジーミル・フェドセーエフ『ムソルグスキー 禿山の一夜』レビュー
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指揮者も作曲者ねロシア人なので知らない人の方が多いと思う。勿論、私も知らない人です。mobil fidelityの初期の頃にリリースされたアルバム。なぜこのアルバムなのかは分かりません。商業的に成功したアルバムでもないし。

一聴して感じたことは、ウラジーミル・フェドセーエフによる指揮の演奏では、カラヤンのような壮大で華麗さはないもののとても堅実な演奏が聴けるということです。

癖がなく万人受けする内容です。全てが未知の音楽なので不安になりましたが流石はmobil fidelity、完璧なリマスターを施しています。全曲管弦楽曲で私の好みの音楽でした。

ウラジーミル・フェドセーエフとは

モスクワ放送交響楽団の音楽監督および首席指揮者に就任し楽団の技術水準向上に貢献。カラヤンとベルリンフィルハーモニーとの関係に似ている。最もカラヤンが指揮する前から技術水準は折り紙つきではあった。

ロシアの作曲者の演奏が多くというか恐らくロシア人の曲以外演奏していないだろう。ムソルグスキー、ボロディン、ミハイル・イッポリトフ=イワノフの曲をこのアルバムでは演奏している。

ムソルグスキーとは

「ロシア五人組」の一人で禿山の一夜が有名。活動期間は1850年代から30年位なので、ニコライ1世の思想弾圧の時期、アレクサンドル2世の農奴解放による自由と社会矛盾の影響を受けている。禿山の一夜はワーグナーを明るくしたような曲調である。

ボロディンとは

「ロシア5人組」の一人で中央アジアの草原にてが有名。1860年代が活動最盛期でアレクサンドル2世の影響を受けている。中央アジアの草原は大きな草原の中に一人取り残されて夕暮れを迎えてしまったような感じの曲。

ミハイル・イッポリトフ=イワノフとは

活動期間としては1880年代から1910年位が最盛期だろう。このアルバムにも収録されているコーカサスの風景作品10番が有名。アレクサンドル3世からニコライ2世の影響を受けている。芸術家で社会背景の影響を受けない人はいないだろう。

市場経済の導入により社会不安が増大して暗殺やテロが相次いだ時代である。コーカサスの風景作品10番は4部構成で25分位の長さであるがメロディーラインが優しく綺麗なので聴き入ってしまう。マイナーかもしれないがいい曲はやっぱりいい。

あまりいいCDがなかったため、ムソルグスキーのCDをおススメします。

この記事を書いた人

ogoe 男性

福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。

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