1970年代から1980年代にかけてリリースしたアルバムに名盤があり爆発的ヒットを飛ばしたアーティスト。1970年代はフォーク・ロックに代表されるように内省的な時代であった。その時に発売された『明日なき暴走』は大ヒットしファンを虜にした。
しかし時代は変わりというか若者はその内省的な時代の閉塞感に耐え切れず多様性を求めたのが1980年代だろう。1980年代は様々なアーティストがしのぎを削って素晴らしいアルバムをリリースしている。今日も名盤と言われるものが多数ある。ロック、ポップス、ヘビメタ何でもありだ。
時代に合わせてアルバムをリリースするアーティストがいるとは思わない。ビートルズは1960年代のバンドであり1つの時代で説明がつく。Bruce Springsteenは時代観の違う2つの時代で大ヒットを飛ばした。1980年代の代表作は『BORN IN THE U.S.A』だろう。これが如何に凄いことなのか分かったのは50代になってから。
人はそう簡単に変われないから創造するものも決まってくる。私が最後に聴いたアルバムは1992年リリースの『ヒューマン・タッチ』で後は聴いていない。心に響かないというのが理由である。デビューアルバムの『アズベリー・パークからの挨拶』から『BORN IN THE U.S.A』までは名盤揃い。
それではBruce Springsteenを知るうえで欠かせないアルバムをご紹介していきましょう。
THE “LIVE” 1975-1985
このアルバムには2005年リリース紙ジャケット5枚組と3枚組の2種類のアルバムがある。私はLP時代5枚組だったのでCDも5枚組で購入。違いは3枚組の方が短くカットされているような終わり方をしている曲があるようだ。
現在中古でしか買えないがamazonでまだ販売されている。音源は現在販売されているBlu-spec CD2と同様に2005年の音源を使用していることから差はCDの材質と曲のカットの仕方だろう。
全40曲あるがどれもおススメな曲ばかりで熱量が伝わってくるアルバム。このアルバムを聴けばブルースの偉大さが伝わってくる。
明日なき暴走
1975年リリースの伝説のアルバム。ジャケットが格好いい。ジャケットに写っている相棒のサックス奏者『クラレンス・クレモンズ』は2011年に死去。ブルースのアルバムに都会の影をサックスを通して表現していたように思う。
このアルバムに関しては私は2つの音源がある。1つは【2012年1月23日・再プレス盤】のオリジナル・マスター・テープ音源からプレスしたものでコピーから製作されたCDではないので音質がいい。
もう1つはハイレゾ音源。WEBでの評価が高かったので購入。特徴として各楽器の音がクリアでかつエッジが出たこと。中低域の音圧が上がったこととギターの音が前に出てきた。
どちらがいいかと聞かれても好みの問題と言ってもいい。リマスターをしていないからダメと言い切れないのも音楽。余韻に浸りたければ【2012年1月23日・再プレス盤】だろう。なんでもハッキリ聴こえたり音質が良ければ感動するとは言えない。心に訴えるものがなければ聴く必要がないというのが私の考え。気分に合わせて聴き分けている。
曲の内容としてはどの曲も良く明るくハッピーな曲はない。じっくり聴きたくなるアルバムだ。
- 明日なき暴走
- 彼女でなけりゃ
- ジャングルランド
BORN IN THE U.S.A.
1984年リリース。ブルースにして広告宣伝はしなくていいと言わしめたアルバム。当時ほとんどの曲でシングル・カットされ大ヒットした。ストレートなロックンロールと言っていい。この時期ブライアン・アダムスの『レックレス』、マイケル・ジャクソン『スリラー』等モンスタークラスのアルバムが多数リリースされていた。
- ボーン・イン・ザ・U.S.A.
- ボビー・ジーン
- ダンシン・イン・ザ・ダーク
闇に吠える街
1978年リリース。大ヒットアルバム『明日なき暴走』から3年後にリリースされ賛否両論あるが私的には名盤。ジャケット写真は冴えないおっさんの写真だが、重いノリの曲が多くギターの音がヘビーなのがいい。
しかも重いロックとバラードにも関わらず単調さがなく複雑な心境の中で制作されたアルバムなのだろう。スプリングスティーンのマネージャー兼共同プロデューサーのマイク・アペルとの法廷闘争がそうさせたのだろう。契約上自由にプロデューサーを選択できないようになっていたからだ。
おそらくアーティストの性質を熟知していた『マイク・アペル』は、散々ワガママに付き合わされた挙句に捨てられ損をするのを回避するために契約の条項に自分の承諾なしにプロデューサーを選択できないようにしたのだろう。
プロデューサーの役割はアルバムをリリースすることにあり、これなしでは売り上げが成立しない。アーティストの収入源の部分だ。
さてアルバムに話を戻すと、派手なヒット曲はないが『明日なき暴走』が好きならばこのアルバムも好きになるだろう。50代の私にはこのアルバムが一番好きかもしれない。静かに楽しめるアルバムといったイメージ。
- アダムとケイン
- サムシング・イン・ザ・ナイト
- レーシング・イン・ザ・ストリート
Live At The Main Point 1975
ライブ音源としては『明日なき暴走』リリース前のライブ。ライブを通して試行錯誤していたのだろう。最終テイクは収録されているアルバムの通り。売れる前のライブで粗削りだがエネルギッシュで、音楽評論家『ジョン・ランダウ』がこのライブを聴いて『ロックンロールの未来を見た』と話題になったライブ。
音質は意外に悪くない。発売されているうちに購入して欲しい。貴重な音源というマニアックな価値だけでなく聴いていて元気にさせてくれるアルバムだからだ。
- Thunder road [‘Wings for wheels version’]
- She’s the one
- Jungleland
この記事を書いた人
ogoe 男性
福島県南相馬市原町区から上京してきて30年以上経ちます。仕事は、財務経理が20年以上、不動産関係が10年以上経験があります。趣味は音楽と写真。過去の曲でなかなか聴く機会のないアルバムを若い世代に紹介していきたいと思ってます。